月初から為替相場はかなり荒れた展開になっていますが、いよいよ今週は本邦勢のお盆休みということで通常の夏相場の中でもさらにボラティリティが下がる時期にさしかかってきていますので、ドル円を中心として相場の下落、円高方向に向けての大きな動きがでることに巻き込まれないよう十分な注意が必要になってきています。

連休前のNYタイム、とうとう105円台の推移が定着してしまったドル円は国内のPKO軍団が支えていると言われていた105.500円レベルと一気に割り込む展開となり、105.267円レベルまで下押しし105.600円台で週の取引を終えています。

こうなると週明けの相場でさらに下値を試す展開になるのはもはや時間の問題となりそうで、現実にどこまで下落するのかが大きな注目ポイントになりそうです。

ドル円週足推移

年初1月3日の底値を試してからどうなるかが問題

今年1月3日のいわゆるフラッシュクラッシュ時は新年の休みの最中ということで下落の底値が業者によってかなりまちまちではっきりしませんが、前年の2018年3月につけた104.67円レベルが一旦の底値のターゲットとなりそうな状況です。

問題はそれを下抜け始めた場合で、今週は完全に本邦勢がお盆休みですから、すぐに相場が戻らずにさらに下値を追うという展開になることも十分に考えられる状況です。104円台から下はそれほど大きな節目もないことから一気に101円台まで突き進む危険性も非常に高まりそうです。

ただ、下落のスピードが速ければ逆に大きなショートカバーも出やすくなることから迂闊に下値で買い向かうのは危険ですが底を付けたところでは一定の戻りを期待することもできそうです。

人民元レートの推移にも十分注意が必要

相場の上下動の最大のポイントとなっているのはやはり中国人民元の動きで、すでに恒常的に対ドルで7元を超え始めている点が非常に気になるところです。

Data Tradingview

この対ドル人民元レートが7.2を超え始めると1997年のアジア通貨危機の時にくららべても各国はかなりファンダメンタルズ的に改善しているとはいえ新興国通貨安が相当進むことが考えられ、それだけでクロス円が円高になることから、やはり結果としてドル円の円高が想像以上に進むことが危惧されます。

2015年8月のチャイナショックの時はドル円は前週の高値からざっと5円近く下落そしていますからその勢いは年初のフラッシュクラッシュを超えるほどで、これが再来した場合ここから100円割れまではそう遠くない射程距離ということになってしまいます。中国当局がいきなり元安を加速させるとは現時点では思えませんが、あくまで市場次第のところがありますので急激に元安が進行した場合2015年のような相場急落が再来する可能性を否定することはできません。こうした場合当然値が飛んでうまくストップロスをつけないまま大きな下落に巻き込まれる可能性が高まりますので、海外FXのようにゼロカットシステムを実装しているところで取引していれば最悪の事態は回避できますが、国内業者での取引は相当注意が必要になりそうです。市場は全体としてリスク回避の場合とにかく円に資金を逃がしておくことが最も安全と強く認識されはじめていますので想定外に円が高くなる危険性につねに直面している状況で、とにかくこの一週間はい津にもまして注意深い取引を行うことが必要になりそうです。とくにポジションを保有したまま遠出してチェックできない状況におかれるようなときには、相当タイトなストップロスを入れるなり、あらかじめポジション整理をするなりしておくのが確実になりそうです。暴落のリスクが高まる時期に関してはたとえ両建てのポジションをとってヘッジをかけようとしても相当売り買いの価格の乖離が広がると決して安心はできませんのでリスクを最小限にとどめる努力が必要になります。